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柳生城にて 次に柳生の城に向かった武蔵は、“剣聖”柳生石舟斎打倒を目指し、「一対一城の合戦」を挑む。多くの武芸者を門前払いしてきた柳生の城への侵入に成功し、柳生四高弟との戦いを抜け、ついに石舟斎の屋敷に辿り着くが、そこで武蔵が出会ったのはおつうだった。おつうの助けもあって石舟斎の寝室に忍び込むことに成功し、寝込みを襲おうと、剣先を突きつけるものの、孫の手一本でかるくあしらわれてしまう武蔵。そのあまりの実力差に己の器の小ささを改めて感じ、自らの非礼を詫び、その場を後にした。旅支度をしたおつうを見かけ、一瞬心揺らぐ武蔵であったが、おつうを寂しがらせてはならないと決心し、城太郎を彼女に預け一人で次の目的地と出発する。 打倒宍戸梅軒 その後さらに武者修行を続け、鎖鎌の達人・宍戸梅軒を探す武蔵。そこで出会ったのは、盗賊宍戸梅軒を倒し、その名を改めたかつての宿敵・辻風黄平であった。鎖鎌という異形の武器を相手に、宝蔵院、柳生と己の全てをぶつけた戦いのあとで生じた心のすきま―――黄平と違い、死に対する覚悟も無く戦いに挑んでしまい、苦戦する。しかし、戦いの中で父・新免無二斎の陰を克服し、その父の得意とした十手術を土台に編み出したニ刀流により黄平のメール便 に打ち勝った。指を切り落とされ、二度と刀を握ることの出来ない体にされた黄平であったが、「殺し合いの螺旋を降りられる」と安堵し、武蔵に血止めを求め、命乞いをする。 それを目の当たりにした武蔵は剣に生きることの意味に懊悩し、その場を立ち去るのだった。 第二章 佐々木小次郎編 時は関ヶ原の戦いから17年前へとさかのぼる。 自斎と小次郎 越前の片隅で世を倦んだように暮らす剣豪・鐘捲自斎に拾われた聾唖の少年、佐々木小次郎。剣一筋生き、孤独な人生を歩んでいた自斎は小次郎を育てようとしたり、農家の片隅に捨てたりと、優柔不断なまま翻弄される。しかし、次第に小次郎の成長を生きがいとし、剣を教えて生計を立てる道を模索するようになる。少年・小次郎も自斎を敬愛し、二人は血のつながりはなくとも親子のような関係を築いていった。 小次郎9歳 9歳となった小次郎に一人の友達が出来る。自らを草薙天鬼と称する村のガキ大将、亀吉。二人は良きライバルとして互いに切磋琢磨し剣の腕を磨いていく。そんな折、自斎の元を村の村長が訪れる。村の守り神として傍若無人な振る舞いを繰り返してきた不動幽月斎を討って欲しいという。自斎は承諾したものの、恐怖からか不動の家へと続く道の途中で歩を止めてしまった。すると目の前の不動の家から火が上がっているのが見える。父親の腕を切り落とされた亀吉が小次郎を誘い不動を討とうとしていたのだ。しかし、返り討ちにあい、顔の斬り傷と共に恐怖を刻み付けられてしまう亀吉。そんな亀吉の危機を見て奮い立つ小次郎、一刀の元に不動の右腕を切断する。が、不動に自らの長刀を奪われ小次郎もまた恐怖を前に膠着してしまう。そこに飛び込んでくる自斎。右腕に深い切り傷を負うも、かつての剣を思い出し不動を討つ。 不動を討つ自斎を目にし、小次郎は彼に剣の道を師事してもらおうと心に決めるのだった。 小次郎17歳、一刀斎との出会い 自斎に剣を教わろうと毎日勝負を挑む小次郎。自斎には軽くあしらわれながらもメキメキと上達し、成長していく。17歳になり恵まれた体躯を手に入れる。そんな折、自斎凋落のきっかけとなったかつての弟子・伊藤一刀斎弥五郎が自斎の前に姿を現す。一刀斎は小次郎の本質を即座に見抜き、剣の道へと誘おうとする。しかし自斎は、小次郎が剣の道に進むことを良しとしない。剣の道とはすなわち命と誇りをかけた戦いであり、それに敗れた者がいかに惨めな末路をたどるか我が身をもって知っていたためである。小次郎のことをあきらめきれない一刀斎の前に、武者修行をしている伝七郎と植田ら、吉岡の面々が現れる。一刀斎は小次郎と吉岡の面々をけしかける。好奇心のみで人を斬ろうとする小次郎に怯える伝七郎と、そんな小次郎にいらだつ一刀斎。小次郎の左足を刺すことで死の恐怖を植えつける一刀斎。それをも超える楽しみで尚も戦おうとする小次郎を前に、伝七郎は自らも同じ傷を負うことで人を斬ることに対する優しさを捨て、死に対する覚悟を得る。紙一重の差で伝七郎に勝利した小次郎の顔の中にかつての自分と同じ「虎」の影を見た自斎は、小次郎の剣に生きる運命を思い知り、彼を一刀斎に預ける決意をする。 関ヶ原合戦跡地にて 一刀斎と旅を続ける小次郎。途中、一刀斎に「天下無双剣・巖流佐々木小次郎」という登り旗を作ってもらう。すると旗を見た腕自慢の強者と戦いを挑まれるようになる。「兵法天下一」を掲げる夢想権之助を仲間にし、一同は戦見物をしようと関ヶ原を訪れる。戦はすでに終わっていたが、そこで戦に破れ悶々としている武蔵に出会う。残党狩りにやってきた東軍を相手にしようと身構える小次郎だったが一番に飛び出したのはカロリー であった。背中を合わせ一瞬身構える武蔵と小次郎だが、本能で互いに敵ではないと悟り再び戦い始める。しかし、銃弾を右足に浴び倒れる武蔵。一刀斎が残りの敵を蹴散らし戦いは終わった。 残党狩り 関ヶ原を後にした三人は、山の中で残党狩りにあいみぐるみをはがされた武士の死骸を目にする。ふと気がつく権之助。「オレたちも落人に見えなくもないのでは・・・?」一刀斎は小次郎が用を足す隙を見て、一人小次郎を残し足早にその場を去る。自斎には悪いが、自分には他人のことは見えない。自分がやってきたようにやらせるだけ、わしになれ。それが一刀斎の最後の教えであった。関ヶ原の残党と思われた小次郎は一人、大勢の村人を相手に戦いを始める。 時を同じくして、小次郎がいる崖の下には六人の落ち武者がいた。満身創痍の彼らだったがなんとしても生きて大阪の土を踏む為、傷ついて歩くことの出来ない仲間を背負いながら歩き始めた。一昼夜歩きとおし、途中東軍の残党狩りの猛攻をかわすが、一休みしていた山中で運悪く村人の残党狩りに見つかってしまう。六人だった仲間は四人になってしまった。外為 の着物を奪い、変装をして大阪を目指す四人は最後の山にさしかかった。その頂でであったのは、一人だけで戦い抜き、疲れ果てた小次郎。長い戦いの末に死に対する臆病さを手に入れていた。残党の中の一人、最年長の定伊は剣を手にする小次郎の美しさに心奪われ、嫉妬し、一人残り対決することにした。終始小次郎を圧倒する定伊だが、やはり勝ったのは小次郎であった。定伊の死を目の当たりにした巨雲と市三、思わず剣を抜く。しかし心に浮かんでくる復讐心は次第に薄れ、強者にであえた喜びと期待ばかりが膨らんでいく。弟である市三の一瞬での死を目の当たりにした新二郎は戦いの中に喜びを見出していた小次郎と巨雲に恐怖し、倒れる。巨雲は小次郎との戦いのなかで次第に技の改善が成されていく互いに喜び、出会いに感謝をした。 戦いが終わり、小次郎の前には言葉はなくとも親友となった巨雲の大きな肢体が静かに横たわっていた。小次郎は巨雲の死を一人悲しみ、涙を流した。 第三章 吉岡一門編 月日は再び流れ4年後、舞台は再び京に戻る。 再戦を前に 一章から一年後、京に戻った武蔵は横浜 不動産 の袂に立てられた伝七郎との再戦の立て看板の前で清十郎と再会をする。清十郎との試合を再度望むが「一年前のほうがもう少し大人だった」とあしらわれる。武蔵は再戦を受けたしるしとして看板に手形を残す。翌日、その看板をみて無邪気に笑うものがいた。佐々木小次郎。植田は四年前、伝七郎を圧倒したあの小次郎も京にいることを知る。一方いまだ京でくすぶっている又八は騙し取った金で今日も女を買っていた。しかし、一年間も自らのことを佐々木小次郎と名乗る日々に疲れ、孤独をかみ締めていた。 元旦の死闘 伝七郎との再戦まで九日となり、今から興奮が抑えられない武蔵。矢も盾もたまらず、大晦日の晩に旅籠を飛び出す。期日を待ちながら一人戦うことの意味を模索していた。その時、除夜の鐘が鳴り響き新年が始まったことを知る。同時刻、吉岡の道場では伝七郎が初稽古を迎えていた。つい力が入り吉岡十剣がひとり、太田黒の右腕の骨を砕いてしまう。太田黒は使い物にならなくなった右腕を伝七郎の為に差し出す。吉岡一太いその腕を見事に両断した伝七郎は高揚し、兄・清十郎に稽古をつけてもらおうと道場で待ち続ける。場面は戻り、寒さから焚き火をしていた武蔵の背後には清十郎が立っていた。不意打ちをかわされ、仕方なく正々堂々と正面から武蔵を斬ることを決めた清十郎。しかし、武蔵の成長に驚き、一瞬自分が斬られる姿を目に浮かべる。一の太刀を浴びせようと構えた清十郎の脳裏に浮かんだのは自らが背負った吉岡の面々の姿であった。清十郎を斬るためだけの体となった武蔵の一閃の前に清十郎は倒れる。
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